雪の重さ
今週から【最強寒波】なるものが、日本列島を覆い全国的に厳しい寒さが続いています。
雪国富山
と昔から言われてはいますが、今回の雪はさすがに
『ごめんなさい』
と言いたくなるような降りっぷりです・・・・・
当社は簡易的に単管で組んだ車庫があります。積雪にあまり耐えれませんので
昨日、さすがに雪下ろしをしました。
そして今日の様子です↓
つららが約1mにまで成長しています。
これだけのつららを平野部でみるのは、小学生以来かもしれません。
中々の積雪と寒さです。
これだけ積雪が多いと山沿いの地域から、雪下ろしの依頼も数件受けております。
とにかく寒いです。
ずーっと1日中氷点下の日が3日続いています。
我が家の給湯器も凍結して使い物になりません。
道路も積雪、圧雪で2km進むのに30分ぐらいかかります。
通常の5倍ぐらいの時間が掛かっているのではないでしょうか?
せっかくなので、この不便さを楽しもうと思います。
さて、この積雪ですが
新雪の時、寒い時は軽いです。
しかし、気温が上がり溶け出すと、一気に重くなります。
新雪 1m×1m×1mの大きさで約150kgとなります。
水を含むと500kg以上になることもあります。
現在、富山の積雪が約60cmだとして、屋根の大きさが150㎡で
新雪時には 13500kgですが
重たくなると 45000kgになってしまいます。
屋根にはそれだけの負荷がかかっているということになります。
逆に言うと、雪国の屋根はそれだけの負荷に耐えれるように設計してあります。
しかし、大雪になった後の雪解け時には、屋根からの落雪がおきます。
雪止めが付いていても、軒先の雪や、雪庇になった雪は落ちてきますので、あたたかくなってきた10時ぐらいは十分に気を付けてください。
瓦工事の土葺きと乾式工法
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変にお世話になりありがとうございました。
本年も無理は致しませんが、力一杯『無茶』してまいりますので、よろしくお願いします。
さて、本年の記念すべき
初屋根は
三重県でした。同じ雨漏り修理専門119グループの
情熱リノベーションさんの応援で瓦工事をさせていただきました。
三重も昨年の台風21号で被害が多く、施工する業者さんがいないということで、工事をさせていただきました。
ありがとうございました。
太平洋側と日本海側
一年中天気が良いところと雪国
気候が違えば、屋根の施工方法も違います。
まず、富山では見られない瓦の土葺き工法
間近で見る土葺きにかなりテンションが上がりました。
富山では見ることができませんからね・・・・・・・・ 瓦の下に土を盛り、微調整しながら、瓦を葺いていく
昔の瓦は行儀(精度)が悪かったので、とても有意義な工法だったみたいですね。
しかし、瓦の重さと土の重さのが家にのしかかるため、阪神大震災で多くの家屋が倒壊してしまい、その後大きな地震が来るたびに
瓦=地震に弱い
とされてきています。原因は土+瓦の重さではなく、ただ単に家が古かったということになります。 現に、新潟中越地震や東日本大震災、熊本地震など大きな地震では、板金屋根の古い家屋も多く倒壊しています。
瓦の倒壊した映像が一番インパクトが強いので、映像として流れていくたびに、
瓦=地震に弱いというイメージが付いて回っているのかと思います。
家の躯体がしっかりして、ちゃんとした瓦工事をしてあれば、瓦も軽い屋根に負けないぐらいの屋根材です。
話しを戻しますが、間近で見る土葺き工法
中々の物です。
ありえないぐらいの土が屋根の中に入っていました・・・・
富山の5倍ぐらい土が入っています・・・・・
野地板は杉皮 その上に土を盛って瓦が葺いてあります。
解体工事だけでも富山の2倍ぐらいの手間がかかります。
何から何まで規格外でしたがとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
葺き直し後の工法は(引っ掛け桟葺き工法)乾式です
この工法は全国共通でしょうか?
見た目で軽くなっているのがわかるかと思います。
ちなみに土葺き工法は富山ではほとんど皆無です。
富山は昔から銅線止めによる乾式工法です。
雪国ならではです。 おそらく土葺き工法ですと、雪が降ると瓦ごと屋根から落ちるでしょう。
今回は、北陸式の工事を三重で施工させていただいております。オーバークオリティーかもしれませんが、昨今の異常気象にはちょうど良いかと思います。
ありがとうございました。
屋根と青空
三州創嘉 純いぶし瓦 切落 中深
紐熨斗瓦 目地積み
丸冠仕上げ
完成が楽しみです。
淡路瓦 銀古美 2
途方もない時間を費やし
地球の営みがつくりあげた奇跡の積層
淡路島の大地の恵み「土」
そして炎を操る瓦師の豊かな「感性」が表現する
オーガニックな質感
悠久の時を越え風雪に耐えたかのごとき
逞しくも味わい深く古美た表情
経年美化こそ日本建築の醍醐味・・・
銀古美の屋根は風景に必然の安らぎを与え
その地にしかない物語とともにかけがえなき原風景を未来へと繋ぐ
名だたる国宝級建築を風格と風情をもって守る
生命力ある古美た色彩を再現
晴れの日は品よく冴えわたり、雨の日は艶黒く
西陽を受けては夕色に染まる
土を焼いただけの瓦が魅せる奥ゆかしい陰翳の妙
四季が瓦の表情をつくり、風景を育てる
誰しもの記憶の奥底にある
美しく懐かしい日本景は、銀古美瓦が創ります
大栄窯業HP抜粋させていただいております。
前回も紹介させていただきました、この瓦
本来であれば、寒冷地である
ここ富山では
雪や凍害(凍て)で、すぐにボロボロにるということで
ずっとNGとされていました。
こちらは三州陶器瓦の凍害の様子です。
比較的、淡路瓦より凍害に強いと言われている
三州陶器瓦でさえ場所と焼き具合の状態で、凍害になってしまいます。
自分は、瓦の温度が低い瓦であればあるほど
凍害になりやすいのだと思っていましたが、
今年、大栄窯業の道上さんにお会いして
お話を聞かせていただくうちに、誤解だということがわかりました。
ちなみに瓦の焼成温度は
三州瓦 1100℃~1150℃
小松瓦 1200℃
石州瓦 1200℃~1250℃
となっています。
三州と小松瓦の焼成温度の差は50℃
温度だけ見ると
石州瓦が一番強いということになります。
当社でも石州瓦を使いますが、確かに強いです。
実際、日本で最高の温度で焼かれている瓦は
石州の亀谷窯業さん
1300℃です。 一度、使ってみたいものです。
話しを戻します。
淡路瓦は1000℃~1050℃と少し、温度が低めなので
富山や北陸など
寒冷地には向かないと言われています。
実際、富山で使用すると、2~3年でボロボロになります。
ちなみに富山で唯一、焼かれている
焼成温度は1150℃と 三州と変わりません。
つまり、瓦は
その土がもともと持っている性能(ポテンシャル)ギリギリまで焼き締めしたものが
強いということです。
当然、焼けば焼くほど
瓦の精度が下がります・・・・・・・
精度と、強さは瓦にとって相反するもの
30年程度であれば、精度の良い瓦を
50年以上屋根を維持させようと思うのであれば強い瓦を
選ばれると良いと思います。
この淡路瓦銀古美は、今までの淡路瓦の常識を覆す
寒冷地対応の素敵な瓦です。
淡路瓦の特徴である、きめの細かい綺麗な肌質と
寒冷地で耐えれる強さを兼ね備えてます。
この銀古美を使わさせていただきました。
同業者さんから、大丈夫か?と色々言われましたが、
全く心配していません。
工事前の画像がこちら
工事後がこちら
工事中
この気合の入った素敵な瓦を
少しずつ、富山の風景にくわえていきたいですね^^
ありがとうございました。